IT業界の現在のトレンドはいくつかがあるかとご存知ですか。「AI-OCR」という言葉が見にしたことがありましたか。今度は、 AI-OCRの効果|ベンダー選びのポイントは「認識精度の高さ」 について挙げます。
AI-OCRとは

ITの隆盛によってデジタル化が進む昨今においても、企業には多数の紙の書類が存在する。社内のシステム化が進んでいても、取引先との受注書や発注書などのやりとりが紙ベースなら、ペーパーレス化の実現は難しいだろう。書面に書かれた文字をPCに手入力する作業が大量に発生すると、現場も疲弊してしまう。
そうした単純作業を効率化する技術として注目されているのが、電子化した書類データの文字を自動認識する「AI-OCR」だ。OCR(光学文字認識)技術は古くからあるものだが、近年急速に発展してきたAI技術を応用することで、非常に高い文字認識率を実現している。
「過去にOCRを使って思うような精度が出なかったという方も、AI-OCRを試してみるとイメージが変わると思います。活用のポイントをしっかり理解して取り組めば、大きな成果を得られます」と、NTT東日本の庄司哲也担当課長(ビジネス開発本部 第二部門 ビジネス企画担当)は強調する。
「AI-OCRの効果が出やすい業務」と成功への近道

導入の際には、どの業務にAI-OCRを適用するかが重要になる。「業務選定のポイントは、紙書類のボリューム、業務の集約性、標準化の3つです。紙を減らせないという前提で、どう効率化していくかを考えないといけません」と庄司担当課長は指摘する。
紙書類のボリュームは、ひと月当たり1000枚以上あればコスト削減などにも効果的だというが、加えて業務の内容を考慮することも重要だ。登録口座の変更など、書類が届くと同時に処理しなければならない業務なら、手作業のほうが速いこともあるだろう。一方で、確定申告など決められた時期にまとめて処理する業務なら、AI-OCRを使って一気に書類を読み込ませたほうが効率的だ。
標準化とは、書類様式や運用を統一することを指す。「書類の様式がバラバラで、運用フローが最適化できないと、思うような効果は得られません。運用フローを変えるには現場の理解を得る必要もあります」(庄司担当課長)
このように、AI-OCRの効果を高めるためのコツはあるものの、「導入前に全ての課題を完璧に洗い出して、どの業務に適用するかを決めることは、実は難しいんです」と庄司担当課長は話す。
「新しいツールを試すときは何でもそうですが、試してみないと分からないことは非常に多いです。まずはスモールスタートでやってみることをお勧めしたいです」
ベンダー選びで「認識精度の高さ」に注目すべき理由
実際にAI-OCR導入を決める際には、ベンダー選びも重要になってくる。選定のポイントはいくつかあるが、業務効率化に直結する認識精度は外せないだろう。
AI-OCRは、紙書類の文字を100%認識できる技術ではない。認識できなかった箇所は、人間が目視して修正する必要があるため、認識精度が高いほど、人間がフォローする手間が省けるということだ。

次に注目すべきは、ツールの操作性だ。これは、人間が手作業でフォローする「残り数%」の部分をいかに効率化するかに関係してくる。
MM総研は、AI-OCRによる文字認識と人間による修正作業を合計した作業時間の検証も行った。具体的には、手書きで必要事項を記入した3種類の帳票を100枚ずつ用意し、PDFのデータを作成。そのうち、30枚はゆがみデータを使用した。そこでも、AI-OCRの手法は「3時間40分45秒」と最も良い結果だった。他のサービスは「4時間1分6秒」「11時間41分25秒」となっており、大きく差がついている。

最後に挙げたいのが、ベンダーのサポート体制だ。初めてAI-OCRを導入企業はもちろん、いまいち効果を実感できていない企業にとっても、ノウハウを持つベンダーは心強い存在になる。
2カ月という短期間で効果を実感してもらうには、初動が大切だからだ。庄司担当課長によると、導入前に行う現場向けの製品説明会で活発に意見が交わされる企業は、軌道に乗りやすい傾向にあるという。
「AI-OCR導入には、現場の協力が不可欠です。説明会で現場の方から『あの作業に使えそうだ』『この業務はどうだろう』とアイデアがたくさん出てくるような企業は、導入もスムーズで効果もきちんと出ます。活用方法を自ら考え、試し、実践できるような利用イメージを持ってもらうことが大事です」
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